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この世は笑顔で出来ている。



先日の日曜日、小金井の宮地楽器ホールに当代随一と言っても良い落語家4人が集まっての落語会が開かれました。

 

 1番バッターの春風亭一之輔さんからして、NHKの『プロフェッショナル』で紹介された若手随一のひと。去年の4月にオンエアされて、一度聞いてみたいと思っていた人です。

 こんなそうそうたる4人が繰り広げる話術の世界。4人の噺家のまさに競演バトルです。

4人誰ひとり負ける気がない。おかげで最初から最後までメインディッシュでした。





 落語の面白いところは、最初から演目が決まっていないこと。この日の演目も最後に終わってから何を話したかがわかります。順番に並べると以下の内容でした。

「黄金(きん)の大黒」

 「目黒の秋刀魚」

 「紙入れ」

 「井戸の茶碗」

 

 いづれも古典と言われる作品です。だからあらすじが決まっています。

でも演じる噺家によって趣が全くと言っていいほど違います。そこがまた面白い。


 落語は江戸時代の庶民の生活がわかるのも面白いところです。

 「井戸の茶碗」は正直者の清兵衛という屑屋さんのお話し。売り主から無理やり2百文で買わされたその清兵衛さんの仏像が、あれよあれよという間に3百両という大金に化けるという騒動です。

ここに出てくる登場人物は、みんな本当に正直な気持ちの良い人たちばかり。だから話を聴いているほうも気持ちがいい。

さらに金額の跳ね上がり方も気持ち良いです。一説によると一両が4000文と言いますから、200文が3百両というとざっと計算して6,000倍になった計算です。

これを現代に置き換えて考えてみました。

「時そば」という話で出て来る江戸時代の屋台のそばが16文です。今の立ち食いそばがだいたい300円前後なので、そこから計算して200文はおよそ4,000円。その4,000円が6,000倍になったとすると、2千4百万円(24,000,000円)。やっぱりすごい。

 

思いっきり笑った後、会場を出てくる人たちの表情はお年寄りから若者まで一応に穏やかで明るくなっています。

やっぱり笑いって本当にすごいと思いました。


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