痛みの最前線 - 痛みはどこから -
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寝苦しい夜が続いているので、どうせ眠れないならと今日はわざと面倒くさいことをちょっと考えてみたいと思います。
身体が痛くなって病院に行くと、「骨」を診て、異常が見つかると大抵はそこのせいで痛いのだろうと結論付けられます。
ですが、骨を折った人は骨が治るまで痛みが続くかというと決してそんなことはありません。
捻挫もそうです。靭帯が切れるほどのケガだから痛いわけですが、固定をして10日も過ぎると靭帯は治っていなくても大抵痛みは引いてきます。
これは「骨」や「靭帯」というパーツそのものに痛みを感じるものがないからです。
じゃあ、どこで私たちは痛みを感じているのか。
この疑問を解くカギとして、最近LAPS(ラフス)という薄い伸び縮みする膜が痛みを感じ取っているということがわかってきました。
このラフスという膜はそれこそありとあらゆる身体のパーツを覆っています。
骨や靭帯はもとより、筋肉しかり、内臓器しかり、皮膚の下にも、そしてなんと神経線維も覆っているのです。
ラフスを「膜」と言いましたが、実はこの膜には神経や血管が豊富に存在しています。
そして伸び縮み出来るように血管や神経は稲妻のようにジグザグに膜のなかを走行しています。
身体が動いたときにこの膜もしっかりと伸び縮みしています。
これがうまく動かなくなると歪みが生まれ、膜全体に緊張が生まれます。この緊張を神経線維が脳に伝えて始めて痛みを感じるようになるわけです。
これは従来の静止画の検査ではわかりませんでした。動きがないと見えないからです。
今ようやくこのメカニズムの存在が注目されるようになって来ています。
寝苦しい夜、なんとなく「腰が痛いなあ」とか「寝ていると肩が痛くなってくる」とき、このラフスが緊張している可能性が高いです。
今当院はこのラフスにも注目して治療しています。