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肩甲骨の肉離れを起こしていたトレーニー



 今スポーツジムや自宅で筋トレに励む人(トレー二ー)が増えています。

僕もスポーツジムに通っているので、3年前より筋トレ人口が増えているのを体感しています。最近特に増えているのが女性です。

ちょっと前はバーベルなどが置いてあるフリーウエイトのコーナーに女性が来ることはまずなかったのですが、最近はキラキラとオーラを発しながら、男よりもかっこよくベーベルを持ち上げている姿を見かけるようになりました。

 

 そんななか、20代の男性が肩を傷めてやってきました。トレーニング歴も長く、週に23回のペースでジムに通っている上級者です。

 2週間ほど前から急に左肩に力が入らなくなってバーベルを持ち上げにくくなったそうです。

 肩の可動性の検査では問題はありません。どうも腱板損傷やインピンジメント症候群といったこちらの想定している怪我ではなさそう。肩甲骨周りを丹念に触診すると、肩甲骨の真上、棘下筋と呼ばれる筋肉のところに強い痛みがあります。受傷機転もトレーニング中ということでしたから、もしかすると筋断裂を起こしているかもしれません。

 さっそく超音波画像検査をおこなってみると、案の定その棘下筋中央の筋内腱部分から筋線維が断裂していました。

棘下筋断裂


 こうなっていたらとにかく運動を控えてもらうしかありません。安静が一番になります。

 患者さんもそのことを理解してくださり、運動を控えて10日後にもう一度検査してみると、見事に再生していました。


棘下筋10日後

 しかし、筋腱や靭帯の損傷は運動に耐えうる強度を獲得するまでに約6週間が必要とされています。これからもしばらくは無理のない範囲で運動するようお願いしました。

 

今回の怪我は僕も初めて診る珍しいものでした。文献を国内外で検索してみましたが、今のところ報告された様子はありません。ですので今回の症例は学会等で発表していこうと思っています。

 



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