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頸筋損傷のラガーマン

 16歳男性。高校でラグビーをやっています。
秋の新人戦に向けて猛練習をしているうちに首を傷めて来院されました。

 通常頸椎の関節を傷めると、うがいをするような動作がきつくなるのですが、彼はその逆で下を向く動作が出来ません。頸椎ヘルニアでも痛みが出ることがありますが、上肢への放散痛がないことからこれも考えにくい。一番有力なのは筋断裂のような筋損傷です。

 早速超音波画像検査を行ってみると多裂筋と呼ばれる首の骨に一番近い筋肉が切れているとわかりました。こうなったらとにかく固定してあげることが一番です。

多裂筋断裂解説

 固定して1週間もすると筋線維の断裂は修復しましたが、まだ下を向くときの痛みが多少残っています。下を見る動作をしてもらいながら頚部を画像検査すると、頭半棘筋が硬くなっていることがわかりました。どうもこの筋肉も傷めていたようです。

頭半棘筋解説

 実は今回のケガの前から首の凝り感や頭痛を訴えて来院していました。もしかするとその時すでに頚筋を痛めていたのかもしれません。なぜなら、画像で見る頭半棘筋はかなり扁平になっており、受傷から時間がかなりの時間が経過しているように思われるからです。
 もっと早い段階で頚筋損傷を疑うべき症例でした。

 その子の学校は出られないようですが、12月27日から全国高等学校ラグビーフットボール大会が大阪の花園ラグビー場で行われます。2019にはラグビーワールドカップが日本で開催されます。ささやかですがそういうスポーツのすそ野を支えていきたいと思っています。がんばれニッポン!


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