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足首の捻挫を見た目や痛みで判断するのは。その2



 前回の14歳少年の捻挫は、固定した翌日には、切れていた靭帯が脆弱ながら付着し始め、関節の動揺が無くなりました。今はサポーターをしながらですが、練習にも参加しています。子供の回復力は本当にすごいです。

 

 今日は、同じ足首を怪我した62歳男性のお話し。

 

 8月の初めに足首をひねり、病院を受診。骨には異常なしということで、テーピング固定してもらいましたが、その後は回復を待つしかないと1ヶ月我慢。それでも痛みが治まらず、とても歩ける気がしないということで、いよいよ当院を受診されました。

 

 足首のなかを超音波検査で診てみると、まだ靭帯が切れたままの状態です。

と同時に足関節の内側にも強い炎症を示す新生毛細血管の増殖が診られます。

後々にわかるのですが、これは足首内側を走行する腱の損傷だったのです。

 

 すぐに足首を固定し、靭帯の修復を計りました。受傷から一月経っていましたが、無事に10日間ほどで靭帯は治癒。関節の動揺も消えました。しかし、歩行痛は変わりません。

 この痛みの原因はほとんど内側の炎症部分です。熱感も強く、いくら固定しても収まる気配がありません。

 


 足首の内くるぶしの後方には2本の腱が走っています。後脛骨筋と長指屈筋です。後脛骨筋は足首を伸ばしてつま先立ちするときの筋肉。長指屈筋は指先を曲げるときの筋肉です。

調べてみると、つま先立ちも指を曲げるのも両方とも痛がります。つまり、後脛骨筋、長趾屈筋の両筋を傷めている可能性があります。

 

 最初に後脛骨筋を狙って施術したところ、痛みが弱まり歩きやすくなりました。

 次に長趾屈筋を狙って指の付け根の裏側にお灸したところ、さらに歩きやすさが増しました。

 

 今は内踝の腫れもかなり引いてきています。今回のような靭帯損傷に強度の腱損傷が合併したケースはまれではありますが、やはりエコー検査がなければどのような治療をしたらよいのかわからない症例でした。

 

 捻挫だからと軽く見たり、見た目で判断すると危険です。


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