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内腿が痛い!



 最近うちの接骨院の流行りは、内腿の検査です。

17歳のバスケットボールに若い情熱を捧げる男子学生。腰が痛くて来院しました。

右に身体を傾けたりすると右腰骨に痛みを訴えます。右仙腸関節周辺の炎症と診断して治療を開始しましたが、正直何をやっても痛みが取れない。どうやらもっと別の原因が隠れているようです。

 

 腰から上は全てチェックしたので、下肢にも目を向けてみました。内腿の筋肉を押してみると物凄く痛がります。右だけじゃなくて左も相当痛がる。そのうちに本人が「ぼくは小学3年生の時に膝を痛めて以来正座ができません」と教えてくれました。これで彼の腰の痛みが理解できます。

 

 正座ができないのは腿の前の筋肉が強く張っているからです。また外側の筋肉にも緊張があることを示しています。あらかじめ彼に行った検査でもそれを裏付ける結果が出ていました。さらにその前腿の筋肉と同じ働きをする腹部の腸腰筋も左側だけが異常に硬くなっている。これでは左側腹部と腿の前面と内側外側の筋肉すべてが硬くなっていることになります。そこを伸ばす動きで右腰に無理な力がかかり、痛みが出てしまっていたわけです。

 

  この症例は過去の怪我が現在の痛みを作っている好例でしょう。腰が痛いからと腰だけを診ているとこのような落とし穴が待っています。

  ちなみに内腿の検査は主に内転筋という筋肉の硬さをチェックしています。

  これが硬いと内転筋の反対の働きをする中殿筋に力が入らなくなります。これは脊髄反射で起きる現象なので、このことは避けられません。

  この男子高校生も殿筋の中でこの中殿筋に両方とも力が入り難くなっていました。

 

実はこの検査、今までは膝の患者さんに主に行ってきました。膝に痛みを訴えているひとはこの筋肉がほぼ間違いなく硬くなっています。

  ですが、これからは腰の患者さんにも試してみる価値がありそうです。


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