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運動するとめまいがする



 51歳 男性
 中肉中背 年齢よりずっと若い感じ。僕は最近までこの方を40歳初めだとずっと思っていました。
 今年の4月頃から「運動するとふらつく」と言って来院されている患者さんです。
 テニスがお好きで快活な印象なのですが、おなかを触診させていただくと何となく力がない。腹壁が硬く弾力性に欠け、皮膚にツヤと張りがありません。
 お仕事はデスクワーク中心。そのせいだろうと思いますが頚肩腕症候群の兆候が見られました。首から肩腕に伸びている血管と神経の束が圧迫されている所見があったのです。
 ここの神経と血管は頸から肩腕の栄養を司る重要な役割を果たしています。
 さらにこの血管から最初に分岐した血管が椎骨動脈と言って、後頭部の栄養血管にもなっています。腕を動かすことでここが圧迫されると脳の血流が下がり「ふらつく」ことになります。
 鑑別すべき類似疾患として「鎖骨下動脈盗血症候群」があります。これは鎖骨下動脈が詰まってしまう疾患で手術の適応となります。鑑別方法としては左右の腕の血圧を測り、その差が20mmHg以上あった場合疑うことになるのですが、この方は幸いにして左右の血圧は揃っていました。
 
 この頚肩腕症候群という疾患は首肩の痛みや凝りを訴えて来院される患者さんの多くに観られるものです。
 症状は様々で、痛みやしびれなどの感覚障害や運動障害以外にも頸肩腕症候群が引き起こす2次的症状に、頭痛や眩暈(ふらつき)、耳鳴りなどもあります。また、集中力が低下したり情緒が不安定となったり、抑うつ症状や睡眠障害、うつ病などの精神症状が現れることもあります。末梢の循環が障害されることによって、手足の先が冷たくなるものや、冷え性などを生じることもあります。
 倦怠感や筋力の低下、動悸息切れ、胃腸障害や月経困難などの全身症状が出現することもあり、必ずしも症状は頸部や肩、腕だけに限局するものではありません。
 
 このかたの治療はほかにも膝の痛みなどがありましたので、全身の状態を改善するためのシャクジュ治療というはり灸を行いました。
 当初2,3回目までは運動後のふらつきがありましたが、今はかなり改善してきているようです。
 頚肩腕症候群ははり灸治療の適応症だと思います。デスクワーク中心の現代社会では大勢の人がこれになっている可能性があります。もしほかの治療で良くならなかったからと言って我慢しているようでしたら、ぜひご相談くださいませ。


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