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ライフレッスン

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 「自分の長所を知り、たがいの美点をみつけ合い、生きていることの奇跡を讃えあうために地上に生まれてきたのだということを私たちは思い出す必要がある。」

これは精神科医キューブラー・ロス氏が書き残した本の一節です。
僕はこの文章が大好きで、付箋紙に書き付けて自分の手帳に貼り、ことあるごとに何度も読み返しています。
 
 彼女は「死」を医療の敗北とは受け取らず、むしろ死を受け入れるための終末期医療(緩和ケア)の大切さを訴え、命とは何かを問い続けたスイス生まれの医師です。ホスピスへの初めての往診、そして迎えた患者さんの死というものを僕自身がどう受け取り、どう乗り越えたら良いのか分からなかったときに彼女の本をむさぼるように読みました。その著書は多く、代表作『死ぬ瞬間』はとても有名ですが、晩年彼女自身が脳梗塞の後遺症から車椅子生活を強いられ、その苦しみのあとに書いた『ライフレッスン』が僕は特に好きです。上の文章もこの本から抜粋しました。
 
 彼女はよく「ほんとうの自分」という言葉を使いました。
「ほんとうの自分」とは、身体の状態・社会的地位・貧富・学歴・年齢・環境などによって変わることのない、生まれながらに備わっていて、それとともに生き、ともに死んでいく正真正銘の自分のこと。『ライフレッスン(人生の勉強)』はこの本当の自分というものを自らが気づくことから始まります。
 それを知るためには、「ほんとうの自分にとっていいもの、人の気分をよくするもの、誇りに思えるもの、長続きするものを選ぶこと」なのだそうです。そうすれば「あなたは愛と人生と幸福を選んだことになる。」と言っています。
自分自身を発露し生命を輝かせることが、自分の命に責任を負って生まれてきたわれわれ生物の課題なのだと彼女は言うのです。
 
 自分自身の感情を肯定すれば、それは生命と直結し、自分の命を尊ぶことになります。
 すると他人の命も愛おしくなります。自分はこの世界にとってたった一人の特別な尊い贈り物で、それは相手も同じだということを学ぶからです。それが「たがいの美点を見つけ合い」です。

 そして「生きていることの奇跡を讃えあう」とはこの世の幸福を味わうことです。
 実際の幸福とは、実は出来事に対する反応ではなく、心の状態のことなんだと学びます。幸か不幸かは周囲の環境や状況ではなく、自分の心のありよう、捉え方次第なのだと。
 自己のたましいを育み、自分自身への慈しみの心を持つことは、自分の心が喜ぶ(たましいに栄養を与える)行為だとロス医師はいいます。ほんとうの自己を愛すると、自分の環境にも目が行くようになり、自分ひとりで生きているのではないことに気が付きます。実はとても多くの人たちのおかげで今の自分が存在しているのです。それはまさに奇跡の重なりのようです。感謝の気持ちは自分の幸福感の表れなのです。
 
 僕はこの文章をはじめて読んだ後も、実は自分の長所がよくわからなかった。だからすごく右往左往しました。人の真似もしてみました。でもなんだかすごくつらい。やりたくないことをするのは本当にしんどい。長続きしませんでした。まわりから見たらとっても不器用でも、自分がやっていて楽しかったり誇りに思えるものをしているほうがやっぱり長続きします。これが自分のやり方だし、見方を変えれば長所だと気がついたらすごく安心しました。
 うちの接骨院は経営的にはあまり上手じゃない。経営的な面で治療や患者さんを考えたくない。その代わり自分が知りたいと思う医療の勉強は大好きです。だからいつまで経っても同じ規模。でも、少なくとも長続きしています。今年で開業して24年が経ちました。もっといい治療院にしたいという思いは開業当初から変わっていません。きっとこれで僕はいいんだと思います。

 ホスピスへ往診していたときの話しは去年の9月4日に配信しています。当院ホームページ院長日記にも残っていますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
 → http://3showhari9.blog79.fc2.com/blog-date-20130904.html

三勝はり灸接骨院HP : http://www.3show-hari9.com/

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